「イギリスのメシはマズい」
世界で最もよく知られるステレオタイプのひとつであるが、(少なくとも私の経験からは)正しい。
この問題によって、私は1ヶ月半のイギリス滞在で3kg痩せた。帰国後にスーツを着ると、ウエストがユルユルになっていて大層驚いた。痩せたい人間は渡英しろ。
さて、イギリスのメシは家庭料理・外食共にマズい。ついでに言うと高い。
前者に関しては、産業革命以降家庭での技術継承が行われなくなった......という話が通説であるが、私の体感としても概ね同意である。
実際に様々なイギリスの家庭でご飯を頂くと分かるのだが、「煮る」「揚げる」「焼く」といった基礎的な技術の平均値が低い。そのため、折角客人の為......と高名なレシピ本に沿って料理を作っても、「食えないほどではないが、絶妙にまずい料理」が出来上がるのだ。野菜の芯が残ったカレー、油まみれで衣のサクサク感が薄れたフィッシュアンドチップスなどがその具体例であろう。
この「基礎的な技術の平均値が低い」という問題は料理以外でも同様である。イギリスの一般家庭をよく観察してみると、水周りが結構汚いのだ。これは別に彼らが不潔な訳ではない。彼らとて定期的にキッチンやバスルームは掃除するし、掃除用品も先進国の名に恥じない充実度合いである。
ただ少し風呂場がヌルヌルしていたり、皿の水垢が目立つ。その程度の話だ。結局これも「家事技術のレベルが低い」と考えると納得がいくだろう。
他方で、外食に関して厳密に言えば「アベレージが低い」「美味い店を探すことが難しい」「クオリティの割に高い」の3点が問題である。
メシマズ大国イギリスとて、探せば美味い店は存在する。マッシュポテト、フィッシュアンドチップス...この辺りの料理を提供するパブなどを10軒ほど巡れば、比較的自分の好みにも合う店を見つけることができるだろう。
ただ打率が低いのである。23区内ならば江戸川区・江東区を除いたほぼ全域で15分圏内に「美味い店」を見つけることが出来る自負を持っている私でも、ロンドンやマンチェスターでの飲食店探しには大層苦労した。
なんせイギリスは丸亀製麺ですら割と不味いのである。ローカライズの結果なのか、店員の技術不足なのかは分からないが、日系チェーンですらクオリティが低いのだから、その他は推して知るべしだろう。
加えて高い。ロンドンでのランチのアベレージは£15-20(3000-4000円)。円安の影響も大きいとはいえ、それでも十分高いだろう。
学生である私にとっては当然苦しく、コストパフォーマンスを考えるとランチはTESCOの妙に美味いクッキー(500円くらい)か林檎(100円くらい)の2択であった。
加えて交通費もケチって歩きまくってるときた。そりゃあ痩せるわ。
日本に帰国後、私は行き慣れた大学近辺の油そば屋に立ち寄った。約2ヶ月間食べていなかった味に心を躍らせたものの、私は半分すら食べ切る事が出来なかった。
二郎全マシを完食できた私がである。
もうあの頃には戻れないのだろう。













































