イギリスの飯で痩せた話

「イギリスのメシはマズい」

世界で最もよく知られるステレオタイプのひとつであるが、(少なくとも私の経験からは)正しい。

この問題によって、私は1ヶ月半のイギリス滞在で3kg痩せた。帰国後にスーツを着ると、ウエストがユルユルになっていて大層驚いた。痩せたい人間は渡英しろ。

 

さて、イギリスのメシは家庭料理・外食共にマズい。ついでに言うと高い。

前者に関しては、産業革命以降家庭での技術継承が行われなくなった......という話が通説であるが、私の体感としても概ね同意である。

実際に様々なイギリスの家庭でご飯を頂くと分かるのだが、「煮る」「揚げる」「焼く」といった基礎的な技術の平均値が低い。そのため、折角客人の為......と高名なレシピ本に沿って料理を作っても、「食えないほどではないが、絶妙にまずい料理」が出来上がるのだ。野菜の芯が残ったカレー、油まみれで衣のサクサク感が薄れたフィッシュアンドチップスなどがその具体例であろう。

この「基礎的な技術の平均値が低い」という問題は料理以外でも同様である。イギリスの一般家庭をよく観察してみると、水周りが結構汚いのだ。これは別に彼らが不潔な訳ではない。彼らとて定期的にキッチンやバスルームは掃除するし、掃除用品も先進国の名に恥じない充実度合いである。

ただ少し風呂場がヌルヌルしていたり、皿の水垢が目立つ。その程度の話だ。結局これも「家事技術のレベルが低い」と考えると納得がいくだろう。

 

他方で、外食に関して厳密に言えば「アベレージが低い」「美味い店を探すことが難しい」「クオリティの割に高い」の3点が問題である。

メシマズ大国イギリスとて、探せば美味い店は存在する。マッシュポテト、フィッシュアンドチップス...この辺りの料理を提供するパブなどを10軒ほど巡れば、比較的自分の好みにも合う店を見つけることができるだろう。

ただ打率が低いのである。23区内ならば江戸川区江東区を除いたほぼ全域で15分圏内に「美味い店」を見つけることが出来る自負を持っている私でも、ロンドンやマンチェスターでの飲食店探しには大層苦労した。

なんせイギリスは丸亀製麺ですら割と不味いのである。ローカライズの結果なのか、店員の技術不足なのかは分からないが、日系チェーンですらクオリティが低いのだから、その他は推して知るべしだろう。

加えて高い。ロンドンでのランチのアベレージは£15-20(3000-4000円)。円安の影響も大きいとはいえ、それでも十分高いだろう。

学生である私にとっては当然苦しく、コストパフォーマンスを考えるとランチはTESCOの妙に美味いクッキー(500円くらい)か林檎(100円くらい)の2択であった。

加えて交通費もケチって歩きまくってるときた。そりゃあ痩せるわ。

 

日本に帰国後、私は行き慣れた大学近辺の油そば屋に立ち寄った。約2ヶ月間食べていなかった味に心を躍らせたものの、私は半分すら食べ切る事が出来なかった。

二郎全マシを完食できた私がである。

もうあの頃には戻れないのだろう。

2025/10/22 ドバイ

まぁ記憶が薄れる前にこの手の記録は書いておいた方がいいので、色々溜めてますが先に書きます。

 

さて、欧州←→日本便だと割と経由地としてお馴染みのドバイ。今回の私は尋常じゃない量の本を日本に送るためにエミレーツを使わざるを得ない......という事情もあり、20時間ドバイ経由での帰国となった。

ドバイに対する印象は...?と聞かれると、正直競馬の話ばかりになる私だが、一応「イスラーム諸国の中では極めて世俗的な国家」という印象が強い。

そんな私がドバイに着き、まず最初に浮かんだ感想が「劣化中国やな」という感想。

中国の都市部を訪れたことがある方なら、以下の写真を見れば私の言わんとすることが何となくわかるのではないだろうか。

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とにかくデカくて、無駄に広い、そして終わらない建築......完全に中国の都市部である。そして、"劣化"たらしめている点は都市の細部の質量である。

要は何が言いたいのかというと、中国はバカデカい都市の隅々まで膨大な量の店舗・住居・工場等がある(埋まっているとは限らない)反面、ドバイはただデカいビルがバカスカ建っているだけなのである。

「Mod入れてないシティスカ」そんな感じがする都市だ。

つまるところ、都市としての魅力は個人的にはあまり感じなかったのだが、それ以外の要素は悪くないと擁護もしておく。

スタバで1時間くらい寝落ちしても何も取られない治安、「金持ち国家」のイメージに反して日本と同水準の物価、住民の大半がTOEIC600-700点くらいの英語力の為適当な英語でもなんとかなる言語環境......など割と観光地としては悪くない場所でもあると思う。

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ドバイの有名観光地といえばブルジュ・ハリファ、ドバイフレーム辺りがまず間違いなく上位に入ってくるが、これらの建築物も想定以上に良かった。

ぶっちゃけオイルマネーに任せてバカデカい建築物を建ててるだけなのだが、人間という生き物はバカデカい物に大してプリミティブな領域で魅力を感じる習性がある。

知的水準・思想宗教等に関わらず、大抵の人間はデカいものを見ると「うおーすげー」となるのである。「万人受け」という観点では、ドバイの巨大建築物群に勝るものはそう無かろう、と感じる観光であった。

 

他方で、文化・歴史に関する観光については「万人受け」という観点とは対極に位置するだろう。今回はドバイ博物館が休館中だったため、現在急ピッチで拡大が続いているアルシンダガ博物館(旧都心エリア)に赴いたが、湾岸諸国の王制マニアの筆者ですら「まぁそこそこ楽しめた」程度のものだったので、あまり期待しない方がいい。

同博物館はクソ暑いドバイの炎天下で複数の建物を渡り歩く絶望的な動線の割に大して地図案内などもない有様で「もうちょっと本気出せよ」と思ってしまった。ぶっちゃけ、設備も中身も万博のパビリオンの1.2倍くらいのクオリティである。

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ただ本物の龍涎香の香りを実際に体験できたことに関しては、トランジットでわざわざ20時間もドバイに寄る価値はこれだけでもあったかなと感じた。

 

余談 競馬のはなし

中東の競馬は大抵クソ暑い時期を避けた11-4月辺りがシーズンなので、この時期は競馬オタクが喜ぶ要素はあまりない(ドバイ国際空港第3ターミナルにシェイク・モハメド殿下のロイヤルアスコット参加の展示はあるが)。

とはいえ、せっかくドバイに来たのだからゴドルフィンのゴの字位は拝んでおこうと考え、地下鉄沿線から数km外れたゴドルフィンの調教場に向かってみることに。f:id:manaita_foooo:20251023044920p:image

Googleマップはこんな感じで如何にも行けます...と言った雰囲気を醸し出しているが、結論から述べると多分タクシーを使わなければ難しい。

筆者は地下鉄Business Bay駅から数km歩き、水上バスで渡河して近くまで向かった。

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GoogleマップでDubai 5 Stableと表記のある施設の辛うじて覗ける部分から見てみると、調教コースなどが見え、どうもこのエリアで競走馬の調教が行われていることは確かなようである。

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とはいえ交通量がシャレにならないくらい多く、あんまり行き過ぎて戻れず帰りの航空機に乗れなくなってもアレなので、ゴドルフィンの総本山までたどり着くことは出来なかった。

ドバイのタクシーは大して高くもないので、行く勇気のある方はタクシーを使った方が良いとは思う。ただシティスカ初心者よろしくらアホみたいに渋滞していたので、とてもストレスフルな訪問になるかもしれないことだけは補足しておく。

別に行って何か入れる訳でもないし。

9/20 ロンドン

この日は集めたい資料があったので、某資料館に籠りきりだった。資料館の話は恐らく年末のコミケ辺りで鷺沢文香さんに解説してもらうので、ロンドン(イギリス)の交通事情の話でも。

公共交通機関

基本的にロンドンで用いる公共交通機関は3つ。

・民間鉄道

旅行者にとっては縁が多く、逆にロンドンで暮らしている分にはいちばん使わないサービスかもしれない。

というのもイギリスの鉄道、民営化の影響かやけに高い。ロンドン郊外から市街地に移動するだけで平気で片道2000円を超える。こんなもの普段使いすれば即破産する。

とはいえ、フリーwifi・電源完備かつ時間通りに来る(当社比)点は素晴らしく、高かろう良かろう...という交通機関ではある。

乗り放題パスなんかもあるので、都市間を渡り歩いたり長距離移動を行う際は案外重宝するかもしれない。かくいう私もマンチェスターニューマーケット→ロンドンの移動で利用予定だ。

 

・バス

ロンドンといえば赤いバス。赤いバスといえばロンドン...なこの都市を代表する公共交通機関

「オシャレなロンドン」の代表格ではあるが、その実態は遅延・早発祭りのこの世で1番信頼できない交通機関である。以前当ブログでも掲載したような45分遅延は当たり前...と広い心で許しているのだが、5分近く早発するのはいくらなんでも困る。

旅客自動車運送事業運輸規則で早発を禁止している我が国の法制度の有難みを15000km離れた地で実感している(但し京都市バスは平気で早発する)。

とはいえ、片道300円くらいとロンドンの公共交通機関ではいちばん安いのも事実。毎日有難く使わせてもらっている。

 

・Tube(地下鉄)

ロンドンの「安かろう悪かろう」2号。

汚ぇ、ストで止まる、電波が届かないの三重苦。まぁサラブレッドが歴史に登場して間もない1850く年代に始まった歴史ある公共交通機関と考えると、電波が届かない点は受け入れるしかあるまい。乗換案内で使う地図アプリはアプリを落とさなければキャッシュでギリギリ乗り切れる。

とはいえ、他にはシンプルにスリが怖い程度で、本数も極めて多く、ロンドン市内の移動にこれ程頼りになる公共交通機関もそうあるまい。有効に活用すればロンドンでのQOL向上に幾ばくが貢献してくれるだろう。

 

...とまぁこの3つが基本。他には高速バス、トラム(路面電車)辺りがイギリスではよく使われる交通手段ではないだろうか。アイルランドを訪れた際にも言及したが、欧州のトラムは極めて素晴らしい交通機関なのだが、ロンドンでは普及していないことが悔やまれる。

 

オマケ:徒歩

3kmは徒歩圏内...な東京都民であれば、ロンドン中心部は金をケチる為に歩くことになるだろう。

具体的に言うとナショナルギャラリー-大英博物館間の30分くらいの距離は歩くことが当たり前になると思う。

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↑宿命

まぁロンドンの街並みは、平気でその辺に有名アルバムのロケ地があったりして飽きることがないのでそこまで苦痛は伴わないだろう。とはいえ気をつけなければならないのが、交通事故だ。

海外の例に漏れずロンドンの人々も交通規則を遵守する...という価値観が存在しない。人も車も溢れかえるこの都市においては、下手に歩行者が信号を押して交通を詰まらせるよりも、信号を無視して潤滑な交通状態を維持することが求められる。この都市で横断歩道に付属している信号機はタダの飾りである。

筆者も2週間過ごしてやっとこの街での信号無視のタイミングを覚えてきたのだが、取り敢えず困ったら周りの連中が信号無視したタイミングについて行けば事故らずに車道を横断することが出来ることだけは書き残しておく。

9/19 ロンドン

普通にここ数日疲れていて、更新を忘れていた。

この日は資料調査を行うも、午前中から空振りが続き、ブチ切れて近くのKew Gardenでサボりを敢行した。

徒歩10分の位置にサボりスポット、オマケに世界遺産ときた。世界一贅沢なサボりではないだろうか。

 

さて、そんなKew Gardenはどういう施設かと言うと、ヴィクトリア朝期に出来た王立植物園。植民地帝国イギリスが世界中から集めた植物類がここで管理されていた。現代ほど化学・工学が発展していない時代、植物種子等の遺伝資産は国家戦略レベルで重要なものであっただろう(植物以外だと馬もほぼ安全保障化していた)。

当然、イギリスの変な気候で熱帯の作物は育てられないため、同園にはバカでかい温室が設置されている。

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クリスタルパレスの逸話は世界史で散々聞いたが、やはりこれをヴィクトリア朝期に建てる大英帝国、普通に偉大すぎる。

どうやらイギリスは植民地で採取した作物をここで品種改良等を行い、栽培条件に適した地(だいたいAUS、マレーシア辺り)に持ち込みプランテーションを行っていたようである。

同地は現在も植物学研究の聖地として研究ハブになっているほか、どうも噂によると日本人の研究者も職員としているとか。

 

まぁ私はここに研究をサボりにきたので、園内の適当な森林を見つけ、そこで昼寝。その辺には沢山どんぐりが落ちており、どれも虫に食われていないので拾い食いしてみるが、とても渋かった。以前栗を拾い食いした時も似たような感じであったが、やはりこの手の植物はタンニンが多く、アク抜きが必須なのだと身をもって実感した。

 

学生料金ながらも金を払って来ているため、1時間ほど昼寝をした後は、ほどほどに園内を見回ってみる。世界遺産というだけあり、園内はアホみたいに広いので一日で見回れる規模ではない。

ただ、そこかしこに大英帝国の植民地戦略が伺い知れる植物・建造物があり、植民地政策のオタクとしては極めて興味深く見て回ることが出来た。

また、園内の日本家屋や桜、盆栽など妙に日本推しが強いのだが、これは建設当時ジャポニズムが欧州で流行していた影響だろうか。

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植民地帝国期のイギリスの展示物は大抵が植民地由来なのだが、妙に日本物品が多いことがある。これはKew Gardenのみならず大英博物館でも同様のことが言えており、我が国が大英帝国の植民地だったのではないかと錯覚してしまう。

まぁ1800-1900年代、程よく近代化していながらも物珍しい日本はオリエンタリズムの格好の標的だったということだろう。パリ万博日本館での成功など、この辺ソフトパワー論と上手いこと合わせたら面白い研究ができそうだなと思ったり。

 

話を同園の感想に戻すと、半世紀以上前から、散々イギリスは自国経済の低迷に苦しんできた訳だが、そんな中これだけの規模の植物園をよく維持してきたものだと思う。私の記憶にある限り、日本の植物園・動物園でここまで大規模なものはなかったはずだ。高度に科学が発達した現代において、ここまでの植物園を維持するのは少し「ムダ」にも思え、財政緊縮を掲げるポピュリスト政党辺りにバッサリ廃止されてもおかしくない気もするが、その「ムダ」を伝統として維持し続けるのがこの国の素晴らしい点でもあろう。

最近は「イギリスオタク」とも言われつつある私だが、イギリスが好きな理由...を問われた際には間違いなくこの「伝統を維持する国民性」が挙げられる。それこそ競馬も乱数生成機としては極めて高コストで、現代では手軽なスロット機などに置き換えられ続けているが、イギリスも私もこの競技を愛しているのだ。

 

そんな経緯もあり、訪問時の私は同園にいたく感動し「ここをまた見るためにイギリスに来よう」と決心した。というか多分滞在中にまた来る。

以下園内で撮った写真↓

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9/18 ロンドン

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サンダウンパークに引き続き、この日は同じくロンドン近郊の中規模競馬場であるケンプトンパーク競馬場へ。

「お前は何しにイギリスに来たんだ」と聞かれそうだが、一応やることをやった後でナイター開催に来ているので勘弁して欲しい。f:id:manaita_foooo:20250920172921j:image

この日はリステッド開催すらなかったので人入りはかなりまばら。第7レースの頃には場内には100人程度の観客しか残っていなかった。

とはいえ騎手はそれなりに豪華で、昨日ケンプトンで騎乗していたドイルに加え、マーフィー、ビュイックらなんか短期免許で見た事のあるような面子が集まっていた。

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日本ほど公正競馬でガッチガチに固められていない欧米の競馬場、特に中規模くらいまでの競馬場だと、結構騎手との距離も近い。そのため、騎乗後のタイミングで声をかけると、ファンサに応じてくれることもある。

この日もマーフィー騎手に「マルシュロレーヌのファンやねん!」と声をかけると、2ショットなどファンサに応じてくれた。マーフィー、素行は色々アレだが、SNS等もめちゃくちゃ反応してくれるので、個人的には勝手に「ファンサ神」と呼んでいる。

 

競馬場に話を戻すと、場内には障害競走の名馬の像が複数。f:id:manaita_foooo:20250922021833j:image

昨日訪れたサンダウンパーク競馬場もそうだが、欧州の競馬場内の記念碑等は障害競走の名馬のものが多く「欧州では障害競走が主流」という論説を身をもって味わうことが出来る。
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特にケンプトンパーク競馬場は、GⅠキングジョージⅥ世チェイスが実施されるので、余計に障害競走のイメージが強いのではないかと思う。

同レースは年末の大一番というイメージが強いように、この競馬場は冬でも開催を行っている稀有な競馬場でもある。

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そのため、場内で展示されている写真には雪が積もる同競馬場のパドックのものも存在する。

日本でも開催時期に雪が降る競馬場はそう多くないため、珍しい光景と言えるのではないだろうか。

 

また、場内グルメはイギリス外食の例に漏れず普通に高い。

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フィッシュアンドチップスの「フィッシュ」の部分がソーセージに代わったものだ。こっちの方が400円くらい安い...が味は微妙。

こっちでちょこちょこ競馬場グルメを体験しようとは考えていたのだが、高い上に(予想は出来たことだが)そこまで美味しくない。加えて大抵一番マシな選択肢はフィッシュアンドチップスなのでやり甲斐がない。

まぁ日本の競馬場も中央は事実上牛丼以外選択肢がないようなものなので、どこの国もそんなものなのだろう。美食の国フランスでの競馬場グルメに期待したい。

 

その他競馬場の様子は以下の写真のような感じ。
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こう言うとアレだが、平地競走はオールウェザー(AW)ばかりで、アクが強いイギリス各地の競馬場と比較するとちょっと没個性的な印象も受ける。これが障害競走実施日だと、また少し印象は変わるのだろうか。

とはいえ、純粋に競馬オタクとして、普段あまり見る機会のない条件戦相当のレースを見るのはそれなりに楽しかった。重賞等の上澄みは別として、このクラスの馬をよく見てみると、日本の馬とは少し異なるフォルムをしている。

具体的に言うと、少しほっそりしているのだ。特にトモはかなり頼りない馬も多い印象を受ける。血統、ローテ...この辺りが違いの要因だろうか。

また、馬たちのパドックでの落ち着き方は、こちらの方が遥かに優れており、この辺りは気性難を許容するか否か...という日欧の競馬観の違いが如実に現れていると言えるだろう。

 

そんなことを思いながら、20時過ぎに最終レースを終え、競馬場を出た。イギリスの競馬場の多くは車での来場を想定しているため、公共交通機関を使う人間のことはあまり想定されていない。死ぬほど暗い中歩く羽目になるので、ナイターに行こうと考えている競馬オタクは気をつけて欲しい。

9/17 ロンドン

今回の旅行のもうひとつ大きな目的は、日本では輸入に手間とコストがかかるイギリスの専門書・回顧録を持ち帰ることだ。

ということで、本日はロンドン市街の古書店が集まる地域へ。

大英博物館から歩いてすぐのエリアは、「Judd books」をはじめ人文系・社会科学系に強い古書店が複数集まっている。

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イギリスの古書店の素晴らしいところは、その品ぞろえだけでなく「学生〇割引」といった苦学生に優しいサービスではないだろうか。ロンドンでは「ロンドンの学校に通う学生限定」なんて不親切な学割も決して少ないないものの、これらの古書店は日本の訳の分からない三文字大学に対しても快く割引を行ってくれる。

価格に関しても、アホみたいな物価のロンドンにしては珍しく、ハードカバー書籍が£5(1000円くらい)程度と極めて財布に優しい価格設定となっている。

スポーツ関係の自伝が新刊書店、古書店共に妙に多い点はお国柄を感じるが、マルクス主義、左派関係の書籍が妙に多いのは京都と似たような背景があるのだろうか。

 

けーば

研究の話も程々に、この日も競馬場へやってきた。

本日訪れたのは、ロンドン中心部からそう遠くない場所、ヒースロー空港近辺に位置するサンダウンパーク競馬場。

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GⅠは年間通じてエクリプスSのみの実施、この日もclass4のレースとリステッド競走しか開催されていない(エプソム等と比較すると)小さな競馬場ではあるが、欧州競馬の歴史上初めて「ちゃんと囲われた競馬場」として建設され、後の競馬場建設に大きな影響(先日訪問したレパーズタウンなんかはこの競馬場を参考に建設されている)を及ぼした歴史ある競馬場である。

同競馬場は前述したGⅠエクリプスSのほか、障害競走ではシーズン末の大一番GⅢbet365ゴールドカップなどでも知られており、先日訪問したアイリッシュナショナルスタッドで骨格標本が展示されていた障害競走の名馬アークルも同地で本レースを制覇している。

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レパーズタウン同様、小さい競馬場の例に漏れず、ファンと関係者の距離は極めて近い。パドックでは

ファン「お前走るか?」

厩務員「多分勝つで!」(筆者注 このあとマジで勝った)

という公正競馬もクソも無い会話が繰り広げられている所もご愛嬌だ。

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パドック

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パドックから馬場までの通り道、鞍上は「肘鉄された方」でお馴染み昨年の凱旋門賞ジョッキーロッサ・ライアン

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↑表彰式場、3着馬までここに集まる

 

こんな競馬場なので、「イギリスのローカル競馬」のナマの姿を結構拝むことが出来る。勝利後、担当厩務員にスっとチップを渡す馬主、妙に羽振りと身なりが整った若者集団、多分毎日競馬場にいるタイプのオッサン......端的に言うと、少し雰囲気が落ち着いた南関、というのがこの競馬場の大まかな評価であろう。

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コースはイギリスの競馬場にしては普通だが、一部障害コースの内側に平地芝コースがある点、最終直線がえらい長い(900mくらい)点が特徴的だろうか。

JRA-VANの解説ページには「 最後の直線は長いものの後方からの差しが決まりにくく、道悪時には外ラチ方向に持ち出されることもしばしばある」と解説されているが、全くもってその通りで、最終直線では新潟千直かってくらい外ラチに寄せる馬たちの姿を拝むことが出来る。

大レースの開催機会こそ少ないものの、ロンドンからのアクセスは極めて良好かつ、雰囲気も悪くない競馬場であった。競馬関係なくロンドンに訪問した際も、ぜひ訪れてみたいと思う競馬場であった。

 

9/16 ロンドン

さて、今日から本格的にロンドン生活が始まる。

 

ところで、中国ほどでないにせよ、ヨーロッパ圏に邦人が滞在しているとインターネットで思わぬ苦労をすることがある。

Xでは多くの画像の閲覧に年齢確認が要求され、R-18系の詐欺サイトかと見紛うような顔認証が必要となる。コレならまだマシな部類で、YahooJapanなどYahoo系サービスは一切の閲覧が許されない。ヤフコメでレスバが出来ない...というよりも個人的にはスポナビが使えないことにより、阪神の試合速報が見られない方がダメージが大きい。また、知恵袋が使えないのも何気に不便だ。

 

話はロンドンに戻り、本日やるべきは資料館での来館者登録、ということでリッチモンド地域のThe National Archives(以後TNA)に向かう。

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この辺りは高級住宅街に近い様相で、比較的身なりの整った人々が多い印象を受けた。

とはいえ、日本で言うと神戸市東灘区くらいの雰囲気で、浮世離れしている感じもなく悪くない雰囲気であった。

 

TNAは世界最大級の資料館ということもあり、閲覧に対して素晴らしい支援体制が整っている。
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これまで複数の資料館を訪問してきた私だが、TNAの閲覧体制は高度にシステム化されており、極めて快適に資料調査を行うことが出来た。

英国の資料公開体制については、民営化によりマイクロフィルムで家が建つレベルの金額を請求されることもあるが、こうした資料館に対する潤沢な公金投入のスタンスに関しては、世界の模範として強く賞賛されるべきであろう。

一階にはカフェテリアも設置されており、ランチタイムには£6.5(1300円)程で温かいご飯を食べることが出来る。

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見た目から察する通り、ぶっちゃけ味に関してはそこまで期待できないイギリスクオリティではあるものの、ロンドンの平均的な外食価格を考えると極めてリーズナブルに食事にありつけるのはありがたい限りだ。

 

そんなこんなで丸1日、夢中になりながら資料調査を終え、帰途のバスに乗ろうとしたところトラブルが発生。

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Delayed 45min(迫真)

日本ではまぁ見ないであろうバスの45分遅延に驚愕していると、周りのイギリス人が呆れたように文句を言い始める。ロンドン初心者として、彼女らの話を聞いてみると、バス到着までの30分間、ロンドンの公共交通機関が如何にクソかを懇切丁寧に説明して頂いた。

私自身、空港から滞在先までの地下鉄で既に「電波の通らないことに定評のあるロンドン地下鉄」を体験しており、なんとなく嫌な予感はしていたのだが、その考えは間違いではなかったようだ。

帰宅後、知人に45分も遅延した旨を伝えると素敵な笑顔で「Welcome to London」と言われた。

かましいわ